パリ
パリには新婚旅行と家族旅行の2回行きました。スイスアルプスとドイツロマンチック街道は決まりきったパックツアーのコースでしたが、パリのほうは自由行動でした。
新婚旅行に歩いたところを子供たちにも教えようと、セーヌ川沿いをその日の宿まで歩いて帰ろうということになりました。まずは腹ごしらえに、近くの寿司屋でにぎりを食べました。そこで日本人のシェフが小さい子供たちを連れて帰るのは大変な距離だよと忠告してくれましたが、子供たちは足に自信があるのと今まではツアーガイドのいわれるままに行動していたのが、自由になれると喜んでいて、もう止めることはできません。ざっと2時間ぐらいかかるとのことで、暗くなる前にはなんとか着きそうだといわれ、寿司屋を後にしました。
セーヌ川沿いを周囲の珍しい景色に見とれながら、歩きました。若いカップルがベンチでキスをしていたり、お年寄りが犬と散歩したり、観光船が川を行き通ったりしていました。新婚時代と変わらぬセーヌ川沿いでした。ノートルダム寺院を目の前に見上げて、その威容に感嘆したり、古代建築様式の建物に魅入ったりして、その歩みは遅々として進みませんでした。
子供たちは疲れた様子もなく、何時間歩いても平気でしたが、さすがに私たちは子供たちのペースに合わせた報いで足がだるくなり、ベンチに座ったりすることが増えてきました。そうするうちにだんだんと暗くなり、宿に帰れなくなるのではとあせり始めました。
地図の上では宿に近づいたところでカフェがあり、最後のひと踏ん張りのために腹ごしらえをしました。そのときの安堵感が忘れられません。子供たちも何とか歩いてくれて、みんなでおいしいものを食べ、冷たい飲み物を口にして、さあ、もう一息がんばろうと声を掛け合いました。そこからは宿まで走るようにしていきました。ほとんど4時間もの時間がかかりましたが、このときの苦しかった経験が家族の固い絆と団結心を生んでくれたと思っています。
